やれやれの効能 |
2015.03.18 Wednesday 00:49 |
こんなにも村上春樹の小説に出てくる「やれやれ」が好きだったんだなぁ、
と、とある人のブログを読んでいて思った。
それは、そのとあるブログの中に「・・・やれやれ」(村上春樹的に)と書かれてるのを見て、なんだか妙に心が安らいで、
ああ、私はこの「やれやれ」に何度も救われて来たんだなぁとその当時を思い出してしみじみとした気持ちになったから。
とにかく辛いことだらけだった(だと思っていた)あの頃に、村上春樹をむさぼるように読んだのは、彼の描く世界があまりにも静かだった(というより私のあちこちへとめまぐるしく動きまわる心を静かにさせてくれた)のと、それと同時に私の人生以上につらそうなことが起こってる主人公が、そういった起こる事象をすべて
「やれやれ」
と受け入れていくところに、ある種の揺るぎのない安堵感を覚えてたのだと思う。
そこにある「やれやれ」は、肯定であることには間違いなかったし、それもポジティブにエネルギッシュにヒーロー的に受け入れるのではなくて、自分の想定や思惑や微かな望みさえをもすべて諦めて、その出来事を受け入れるという潔さに、主人公の弱さではなく強さを感じ、どこか真理に通じる道筋を垣間見ることによる癒やしを得てたんではないか
と思い、
当時の私に問いかけてみた。
そしたら、
そうだよ。
と、あの頃の心細かった感覚と共に答えが返ってきた。
そうだったんだね。
私はそんな私をないがしろにしたまま長い間生きてきたんだな。